
WordPress(ワードプレス)は、ブログやWebサイトを作成・運用できる無料のCMS(Contents Management System)です。Webサイトやブログの作成・管理に広く使われており、プログラミング知識がなくても直感的に操作できます。また、テーマ*1とプラグイン*2によるカスタマイズ性の高さが特徴です。
プラグインを利用すれば、WordPressで会員制サイトを作ることができます。
この記事では、
1.WordPressで会員制サイトを構築する時に必ず気をつけること
2.会員制サイトにはどんな機能が必要?
3.パソコンやインターネットに疎くても大丈夫?
おまけ:自作せずに会員サイトを作る方法
といった内容を解説しています。是非最後までご覧になってください!
*1WordPressのテーマ・・・サイトデザインのテンプレート(ひな形)のことです。テーマを選択するだけでサイトの配色やデザイン構造、装飾やパーツを設定できます。有料/無料の数多くのテーマから選択できます。
*2WordPressプラグイン・・・WordPressで作ったサイトの機能を拡張するソフトウェアで、新たな機能を追加したり既存の機能をレベルアップしたりできます。特定のニーズに合った多様なプラグインがあります。
WordPressで会員制サイトを構築する時に必ず気をつけること
WordPressは無料で誰でもかんたんに利用できることの裏返しとして、利用するにあたっては自主的に行わなければならないことがあります。
✅セキュリティ対策の徹底
WordPressは世界中で広く利用されていることから、攻撃者に狙われやすいです。会員情報やログイン情報を守るため、SSL(HTTPS)の導入は必須です。また、wp-login.phpへのアクセス制限や、ログイン試行回数制限(例:Limit Login Attempts Reloaded)を設定するなどして、ログインページを保護することも重要です 。
管理者のIDやパスワードについて、「admin」などの安易なユーザー名は避ける、推測されやすいパスワードは使用しないといった対策が必須です。2段階認証の導入も検討してください。
✅会員管理機能の選定と設計
会員レベル(無料/有料/プレミアムなど)、会員グループや閲覧範囲を最初から設計しておくと、運営がスムーズになります。
会員制サイトを作るには、プラグインを導入する必要があります。選択肢は数多く存在するので、どのようなサイトにしたいか、どのようなコンテンツを配信したいかを明確にして、適当なものを選択しましょう。なお、その際は、プラグインの評価・更新履歴を確認するなどして、不審なものをインストールしないように注意してください。
プラグインの例:
・WP-Members Membership Plugin(コンテンツ表示制御に特長)
・MemberPress(有料だが高機能)
・Groups(グループ単位での会員管理とコンテンツへのアクセス制御)
・Ultimate Member(UIがわかりやすい)など
自動退会・有効期限切れの対応ルールを決めておくのもよいでしょう。
✅コンテンツのアクセス制御
ページごとのアクセス制限を簡単に設定できるプラグインを利用し、非会員と会員の閲覧可能範囲を明確にしておくと柔軟なコンテンツ管理ができます。特定の投稿/カテゴリだけを限定公開する設計にするのもよいでしょう。
✅パフォーマンスとスピードの最適化
会員が増えると表示速度が遅くなることもあります。キャッシュ設定の調整(会員制サイトではキャッシュをかけすぎないよう注意)や、信頼性・スピードの高いサーバーの選択も重要です。
✅バックアップとトラブル対策
プラグインやWordPressのアップデート前には必ずバックアップを取りましょう。定期的な自動バックアップの設定(UpdraftPlus などを活用)も有効です。
✅プライバシーと法的対応
個人情報保護のための運用方針を策定しておきましょう(海外でもサービスを提供する場合は、GDPRなどその国や地域の法令も確認しておく)。また、サイトのプライバシーポリシーや利用規約を明示しましょう。
🌟 補足ポイント
準備段階で、以下も検討してみてください。
・スマホでも使いやすいUIにする(レスポンシブ対応)
・将来の拡張性(オンライン決済、メルマガ連携など)
・運用ルール(入会・退会、サポート、問合せ対応など)の整備
会員制サイトにはどんな機能が必要?
会員制サイトには、最低限、「会員データ管理」と「マイページ」が必要です。これらに加えて、情報発信・動画配信・イベント管理など、やりたいことに応じてコンテンツの配信・管理をする機能も必要です。また、有料コンテンツを配信するのであれば、会費管理機能も必要でしょう。
以下、それぞれの要素について、必要な機能・導入の難易度・費用感の目安などを簡単にまとめます。
1. 会員データの管理
必要機能:
会員情報(氏名、メールアドレス、属性など)の収集・閲覧・編集
導入方法:
プラグインを利用する
必要作業:
初期設定+プロフィール項目の設計
費用感:
無料でも可能。本格運用なら年1〜3万円程度(有料プラグインの場合)
2. 会員マイページの提供
必要機能:
ログイン認証、個人情報やコンテンツの表示、リンク、イベント履歴など
対応方法:
プラグインを利用する(例えば、 MemberPress や Ultimate Memberでは自動生成される。カスタムフィールドを組み合わせて拡張する方法もある。)
必要作業:
ログイン設定、メンバー設定など(テンプレートを使えば簡略化可)
費用感:
プラグインによっては無料で実現可能
3. 拡張機能
機能 | 方法・ツール | 難易度 | コスト目安 |
---|---|---|---|
情報発信(会員限定ブログなど) | WordPressの投稿×アクセス制御 | 低 | 無料〜 |
会費管理(継続課金) | MemberPress / Paid Memberships Pro / Stripe連携 | 中〜高 | 年1〜3万円+決済手数料 |
動画配信 | Vimeo / YouTube埋め込み+限定公開、または会員専用動画ページ | 中 | Vimeo Plus(年9千円〜)など |
イベント開催・管理 | Event Calendar+予約・決済プラグイン(Ameliaなど) | 中 | 無料〜有料(5千円〜/年) |
🕒 時間・労力のざっくり目安(初期構築)
作業 | 労力感 |
---|---|
WordPress基本設定 | 数時間 |
会員管理プラグイン設定 | 1〜2日 |
マイページ設計 | 1〜3日(カスタマイズ次第) |
デザイン調整+テスト | 1〜3日 |
拡張機能追加(順次) | 機能ごとに半日〜数日 |
💡 まとめ:まずはこう進めるのがおすすめ!
- 会員登録〜ログイン+マイページ表示までを最小構成で作ってみる
- シンプルな設計で運用を開始
- 運用しながら、会費・動画・イベントなどを段階的に追加
パソコンやインターネットに疎くても大丈夫?
結論から言うと、ある程度は可能ですが、学ぶ気持ちが必要です。
🔰 パソコン・Webがあまり得意でない方でも進められる理由
✔ WordPressは比較的初心者向け
テーマやプラグインを組み合わせれば、専門知識がなくても構築できます。また、ドラッグ&ドロップ方式のエディターが標準装備されているので、ノーコードでかんたんにページを作れます。
✔ 会員管理系プラグインはUIがわかりやすい
たとえば「Ultimate Member」などは日本語対応&ガイドが充実しています。メニューや設定画面も「何をすればいいか」が分かりやすく設計されています。
✔ 困ったときの情報が豊富
「○○(プラグイン名) 設定 方法」で検索すると、画像つきの解説記事や動画が多数出てきます。生成AIを利用するのも手です。YouTubeでの操作解説も多く、見るだけで一緒に進められるものがたくさんあります。
😅 ただし、注意点も...
WordPressの初期設定(レンタルサーバー・ドメインなど)が面倒
解決のヒント:最初だけサポートを受ける/代行を依頼するのも手です。
会員管理プラグインの細かい設定が大変
解決のヒント:日本語解説サイトやChatGPTに聞きながら進めましょう。
トラブル対応(表示崩れ、動かない等)が困難
解決のヒント:必ずバックアップを取り、慎重に1つずつ設定していきましょう。
デザイン調整のハードルが高い
解決のヒント:高度な調整は無理せず専門家に任せた方が良いでしょう。
パソコンやスマホで「ネット検索」や「メール送受信」を普段から行っていて、「わからないことを調べながらやる」ことに慣れているか抵抗がなく、また、手順書やマニュアルがあれば順番に進められる方であれば、高度な調整以外は対応できるでしょう。
💡おすすめの進め方
1.サーバーとWordPressの初期設定は、誰かに手伝ってもらう(または代行)
2.管理画面の使い方に慣れる(投稿・固定ページなど)
3.会員管理プラグインを入れて、最低限の設定をする(少しずつ試しながら)
4.困ったときは遠慮なく誰かに聞く(または、AIを活用する)
自作せずに会員サイトを作る方法
業務と並行して会員制サイトを立ち上げるのは時間・手間の見積もりがとても大事ですし、WordPress以外の選択肢を知っておくと、「任せられるところは任せる」という判断もしやすくなります。
ここでは以下の3タイプに分けてご紹介します:
- クラウドシステムを利用する
- WordPressでの構築を業者に外注する
- WordPressで最低限の部分だけ作って、他は連携や外部サービスに任せる(ハイブリッド型)
1.ノーコード/クラウド型ツールで作る(おすすめ度:高)
時間がない方にとって、一番現実的で導入しやすいのがこのタイプです。どのサービスも「WordPressより圧倒的にラク」「サポートあり」「契約後すぐ始められる」というメリットがあります。
会員管理を重視すれば、クラウド/SaaS型の会員管理システムがおすすめです。当然、会員データを管理するための機能が充実していますし、マイページや登録フォームも標準装備していることが一般的です。すでに会員データがある場合でも、基本的にexcelやcsv形式のファイルをアップロードすればすぐにサイトをオープンでき、「WordPressより圧倒的にラク」「サポートあり」「契約後すぐ始められる」というメリットがあります。
会員管理システムについては、以下の記事も参考にしてみてください。
会員管理システムを上手に導入する方法 – 会員管理の運用トピック
会員管理システムの選び方 – 会員管理の運用トピック
2.外注(業者に依頼して構築)
「最初の設定だけ業者にやってもらう」「完全に作ってもらって、運営だけ自分で」も可能です。
方法 | メリット | デメリット | 費用感(参考) |
---|---|---|---|
制作会社に依頼 | デザインや設計をプロに任せられる | 費用は高め/制作期間は数週間以上 | 30万〜100万円前後 |
フリーランスに依頼(ココナラ、ランサーズなどで探す) | 比較的安価/柔軟な対応 | クオリティにバラつきがある | 5万〜30万円程度 |
💡「WordPressで作りたいが最初が不安」という方には、「初期設定だけ依頼する」のもおすすめです。(例:サーバー契約+テーマ+プラグインのセットアップ代行など)
3.ハイブリッド型:WordPress+外部サービスで運用を軽くする
WordPressは会員管理だけの最低限の利用にします。そのうえで、以下のようにします。
・情報発信は note や LINE公式アカウント に任せる
・動画は YouTube限定公開 や Vimeo にアップ
・イベントは Peatix や こくちーずPRO で開催・管理
こうすることで、「WordPressの手間を減らしつつ、必要な機能は外部でスマートに補う」ことができます。
🎯 まとめ
あまり時間が取れず、初期設定が不安な場合は・・・会員管理システムを利用する
独自のサイト構築を追求するなら・・・初期構築は代行 or 相談サポートつきで進める
会員管理システムSmartCore(スマートコア)について
会員管理システムのスマートコアは、協会、学術団体、同窓会など、様々な種類の団体で利用されていおり、次のような特長を備えています。
- 会員管理の多様なニーズに対応する基本機能
- 団体種別ごとのニーズに特化した30以上のオプション機能
- 使う分だけ設定して低コストで運用
- 充実したセキュリティ機能と安心の第三者認証
- 継続的な有効活用を支えるサポート体制
詳細は、下記リンクよりご確認いただけます。