学会、協会、OB会、ファンクラブ、種類は違っても、会員を抱えるすべての団体に必要不可欠なタスクが、名簿管理です。名簿管理には、正確性・効率性・セキュリティが求められます。この記事では、各種団体の会員名簿を管理する際におさえておくべきポイントを、全ての団体に共通する事項と団体別の事項に分けてご紹介します。
全ての団体に共通するポイント
1. データの正確性を保つ
メンバーの氏名、連絡先、住所、所属などが正確かつ最新であることを確認して、登録情報の一貫性を保つことが重要です。それには、年に1回や半年に1回など、定期的に情報更新を促す仕組みを設けるのがよいでしょう。また、入力フォームに自動チェック機能を導入するなどして、入力エラー対策を行うことも大切です。
2. セキュリティの確保
名簿には個人情報が含まれるので、暗号化やアクセス制限など、情報漏えい防止対策が必須です。アクセス制限では、管理者やメンバーごとにアクセス範囲を制限することが求められます。また、データを定期的にバックアップし、万が一のデータ損失に備えることも大切です。
3. 利便性と検索性の向上
名前、会員番号、地域などで簡単に検索できる仕組みを設けておくとよいでしょう。また、役職、部門、地域ごとに会員を分類しておけば、検索の際に絞り込みが容易になります。名簿管理システムを利用する場合は、システムデザインの操作性も重要です。
4. コミュニケーション機能の連携
メール送信のシステムや機能を利用することで、メルマガや案内メールを名簿から直接送信できます。また、イベント情報や重要事項を会員に周知するための仕組みについても考慮しておくべきでしょう。こういった会員とのコミュニケーションについては、過去のやり取りを記録し、必要に応じて参照できるようにしておくと良いです。
5. 法令順守
名簿データのような個人情報データベース等(個人情報を含む情報の集合物で、コンピュータを用いて検索できるように体系的に構成したもの、または、個人情報を一定の規則に従って整理することで特定の個人情報を容易に検索することができるよう体系的に構成したもの)を取り扱う場合は、個人情報保護法への対応が必須です。名簿の利用目的を明確化し、同意を得た範囲内でのみ使用することや、個人情報の保存期間を設定し、不要な情報は適切に廃棄・消去することなどが求められます。
統計・レポート機能
会員数の増減や年代別分布といった会員動向の分析、会議資料や年度報告書の作成に役立つレポート出力といったことができるようにしておくのも良いでしょう。
団体別のポイント
1. 学会の名簿管理
研究者や専門家といった高度な専門性を持つ会員が多く、学術発表会や講演会などのイベントが多いことがポイントです。また、会費支払い状況の把握も重要なタスクとなります。
- 会員資格の管理
学会員の資格や分野(専門分野、研究テーマなど)の登録。学位や所属機関が変更されることも多いので、更新しやすい仕組みの構築。 - イベント参加履歴
学会発表、論文提出、シンポジウム参加などの履歴を管理。 - 年会費管理
年会費の自動請求と支払い状況の追跡機能を設定。 - ニュースレター機能
最新の研究成果や会議情報をスムーズに共有。
2. 協会の名簿管理
業界団体や職能団体などでは、個人会員だけでなく企業や団体の会員もあります。また、業界基準や資格認定が関わることも多いので、以下がポイントになります。
- 法人会員と個人会員の区別
企業や団体を会員として登録する場合、代表者情報や連絡担当者も同時に管理。 - 資格情報の管理
業界資格や研修受講状況を記録し、有効期限の通知機能を設定。 - 業界向けの情報提供
法律改正や市場動向など、業界ニュースを共有。 - コミュニティ形成支援
業界ごとの分科会や委員会活動に関連する名簿管理。
3. 同窓会の名簿管理
学校や教育機関の卒業生が対象となり、学校と卒業生、また、卒業生同士の長期的なつながりと活用がポイントとなります。また、連絡先や近況の把握も重要なポイントです。
- 卒業年度、クラスごとの分類
会員の属性で整理し、検索しやすくする。 - 連絡先の更新促進
定期的な情報更新依頼やSNS連携で最新情報を取得。 - イベント招待の簡便化
総会や懇親会といったイベントの案内や参加状況を一括管理。 - 思い出共有機能
アルバムや動画の共有機能を導入し、会員間の交流を促進。
4. 社友会の名簿管理
元社員や退職者が対象となり、企業文化の継承や交流が目的となります。近年では、アルムナイネットワークの構築を目的とするケースも増えています。同窓会同様に、連絡先や近況の把握も重要なポイントです。
- 退職後の情報追跡
退職後の住所や連絡先の更新を定期的に依頼。現在の勤務先(再就職先)や活動情報も記録できるようにする。 - 社内・社外イベント管理
懇親会、OB会、講演会などの案内送付をスムーズに。 - 企業ニュースの共有
企業の近況や取り組みを定期的に報告。 - ネットワーキング支援
交流会やメンタープログラムの企画を支援。
まとめ
どの団体についても、システムの設計や運用を通じてメンバー同士のつながりを強化し、運営側の負担軽減を目指すことがポイントになります。そのためには、柔軟かつ安全なデータ管理と、メンバーが自分で情報を更新できる仕組みの整備は欠かせません。クラウド型名簿管理システムの導入や、スマホアプリやWebポータルの提供が有効な手段です。
また、個人情報保護法対応や、海外在住の会員がいる場合はGDPR対応も必須になるため、法律の則って安全な方法で管理するための方針を明確にすることも重要です。
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